福間農園 代表 福間 友英さんのプロフィール

 

「わんにゃん絹の芋」農園

 

「たごさんふぁーむ」(Tagosun ふぁーむ)

 

1984年 島根県飯石郡飯南町(旧頓原町)生まれ。

 

愛媛大学 理学部を卒業後、岡山県で某大手エステティックサロンに入社

その際にエスティシャンとしての資格を取得しました!

 

エステサロンを退社後、大学での専攻を活かし某大手化学メーカーで働くことになりますが結婚をしたこと、子供が生まれたことに加え、将来への不安や疑問は日に日に大きくなり退職を考え始めました。

 

どうすれば、人も動物も自然も幸せな毎日を送ることができるか考えその方法は「農業」であるとたどり来ました。

 

2014年に家族で生まれ故郷の島根県にUターンして農業を始めました。

もともと実家は田んぼをやっていたので農業をするための環境はそろっていました。

ただ本格的な農業をやっている家柄ではないので、一から勉強を始めました。

今まで勉強してきた、人の健康にかかわる事、化学に加えて、野菜の栽培の基本、植物について、土について、生き物についても勉強し、いろんな方に出会い、今の自分の理想を詰め込んだ農法の土台とを作ることができました。

 

2017年に独立して

農園名「たごさんふぁーむ(Tagosun ふぁーむ)」として独立し活動を始めました

 

わたしのこだわりは3つ

 

①人、動物、植物、自然を大切にしそれぞれの恵に感謝すること

②なるべく自然に近いかたちで作物を栽培すること

③1000年先まで笑っていられる農業の手法を遺すこと

 

 

私は農業者である一方で、科学者の端くれです。

「末永く安心して生命の循環を育んでいける環境を保つこと」を忘れずに創意、工夫をしていく農業を目指しています!


 

福間友英さん JA 農業青年連盟」島根県発表会の原稿

 

全国的にJAが主体する青年が集う「農業青年連盟」という団体があります

わたしは島根県雲南地区に所属していますが、上のファイルは県内の発表大会の時に使った原文になります!

結果は余裕で最下位でした。

 

A gift for next Millennium ~千年先への贈り物~ 

 

雲南地区 福間 友英 

 

「You are what you eat」 

英語のことわざでこのような言葉があります 

 

直訳すれば「あなたは「あなたが食べたもの」で成り立っています」 

という意味です 

私は学生のころに栄養学を学び、この言葉を教えてもらいました 

 

この世の生物、全て例外なく、何かしらの形で栄養を摂取しなければ、生きられません 

その生き物の体を構成する、細胞の一つ一つは、摂取した栄養によって、作られるということです 

 

そしてこの言葉の要約は 

「健康は食べ物によって決まる」 

という意味ですが、働き始めてやっと、この言葉の真意がわかりました 

 

私は農業を始めるまで大手化学工場で、農薬や医薬品の原料を作る研究員として従事していましたが 

あるとき、衝撃の事実を知ることとなります 

 

それは、定年退職者の半数以上の人は、退職後にガンを発症し 

ガンが原因で亡くなっているということでした 

安全の管理として、服装などには留意しますが、 

それでも長年、大量の化学物質を扱うことで、体内に処理しきれないほどの化学物質が蓄積されること

が大きな原因として挙げられています 

 

世の中の人々のために、まさに人生をかけた、自分の仕事の結果は、残酷な末路でした 

 

そのような化学物質だけなら、食べることはありませんが 

身近なものでも食品に含まれる化学調味料や、添加物、残留化学物質、また大気中にある排気ガスや環境ホルモンなども例外ではなく、否応なしに体内に吸収蓄積されていきます 

 

なぜこの数十年の間にガンがこれほどまでに増えたのでしょうか 

なぜ今まで聞いた事もないような病気がこれほどまでに増えたのでしょうか

 

一概にこれらが全ての原因とは言えませんが 

食文化の変化や近代科学の発展と比例し、このような病気が増えてきているのをみると 全く関連がないとも言い切れません 

 

その時に、私たちの身体は食べる物、身体に吸収されるものによって 

良くも悪くも成りうる、という、意味深いことわざだと、まじまじと噛み締めました 

 

更にこれらの病気は、自分の子孫に遺伝として、組み込まれてしまいます 

もしこのようなことがずっと続けば、今後30年、40年、100年先は 

どんな未来が想像できるでしょうか 

 

私はそんな想像通りの残酷な未来を、自分たちの子供や孫の世代にバトンタッチしたくはありません 

 

そして私が学び収め、これらの要因を打開する「方法の一つ」として見出したのが 健全な野菜を食べるということです 

野菜の最大のメリットは、体に必要な栄養素を取り入れることだけではなく、 体に不必要な、悪影響のあるものを体外に排出する機能が、他の食品に比べ ずば抜けて高く、これらの病気を予防するのに効果的であると考えています 

 

そのためには、食べる野菜、野菜を育てる環境においても化学物質や不穏(ふおん)因子を とことん減らすことが重要であり、そこを第一に目指した野菜作りが出来ないかと考えました 

 

今でこそ、その考えを根幹とし、地域にある資源と、自家採種を基本とした 在来種を復活させるための農業、治山、治水、自然の生態系の保護を目的とした林業を メインに活動していますが、そこに至るまでには大変な困難がありました 

 

脱サラしてそれを仕事にしたいと言った日、家族には猛反対され大喧嘩もしました 

 

話をしても、耳を傾けてくれる人はほとんどいませんでした 

先輩農家さんにはボロクソにいわれました 

 

しかしそんな中、JAそしてこの農業青年連盟だけは 

私の話に耳を傾けてくれ背中を後押ししてくれました 

周りには同じ志をもった盟友たちがたくさんいました 

 

ある時にはハウスや農機具の導入の相談に乗ってくださり、支援にご尽力いただきました 

 

またある時には盟友にドローンを使っていただき、農作業をサポートしていただきました 

 

これだけの話かと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そのやり方の性質上、私は認定就農者にはなれなく、就農給付金、助成支援なども受けられませんでした 

 

周りに理解してもらえない、支援もなく、活路を見出せなかった、そんな私の夢物語が まさに現実化した瞬間であり、これらの支援、協力なくして 

私の農業のスタートは、切れなかったといっても、過言ではありません 

 

また個人活動だけではなく地域活動や、地域の営農組織などにも 

積極的に参加させてもらえるおかげで、家族だけではなく 

地域の方の理解も得られるようになってきました 

 

信念を持って誠意に活動していれば、必ず人は理解してくれる 

そのときに「自分は一人ではない」と、 

現在の活動に自信を持って取り組む事ができているところです 

 

それほどJA、農青連との出会いは、私にとってはかけがえのない出来事であり、 自分の意見を主張し、芯がぶれない農業ができているのだと、深く感謝しています 

 

さて話は変わり、今年の5月に我が故郷飯南町で、絶滅したと思われていた 「モンクロベニカミキリ」という珍種のカミキリ虫が 

41年ぶりに島根県で発見されたのはご存知でしょうか? 

 

全国的にも数少ない虫ですが、この虫が再び発見されたということは 

41年もの間、変わる事のない故郷の豊かな自然が 

この生命循環を支え続けてきたということです 

 

巷では「島根県は田舎」というイメージが強いですが 

もし田舎といわれるのであっても、このカミキリ虫のように 

自分の子供や孫、そしてずっと先の世代まで絶えることのない命 

笑顔があるのであれば、私は命をつなぎ続ける、最強の田舎を目指していきます 

 

故郷、命のつながり、自然を護るために、農業があるのだ、ということを忘れてはいけません 

 

今ある農業のやり方だけが全てではないはずです 

何が正しい、何が間違っているというのは、個人の価値観で異なるものであり、皆が皆、同じ道を歩いていくのではなく、各々が自分の道を切り開き 切磋琢磨しあうからこそ、新しい活路が見出せる、困った時には助け合う事ができるはずです 

 

諸行無常、目まぐるしく変わる、世の中の現状に目を向け、あらゆるリスクを想定し これらを解決、打開するために、農業を通じてあらゆる策を講じていくのが 農業者としての使命ではないでしょうか 

 

そのためには、時には語り合い、励ましあい、時には激論を交わす仲間が必要不可欠であり、ここにはそんな魂と魂で熱くぶつかり合える仲間たちが、これだけいるのだと確信しています 

 

私たちの祖先が、命をつなぎ、土地、自然を護るため、稲作という不変の形を遺してくれたように

 

「A gift for next Millennium」

 

私たちもまた千年先の後世の世代たちのために、 

その命と笑顔を絶やさないために、変わることのない農業を形にし 

未来への遺産を遺して死んでいこうではありませんか 

 

私は未来の子供たちの笑顔が絶えることのない、持続、継続的な農業を 

確立していくことを、ここに宣言いたします 

 

最後になりましたが、皆さんのされている農業、そしてJA、農青連のますますの発展 

 

後世が幸せに満ちた世の中であることを祈念して私の主張を終わらせていただきます 

 

ご清聴ありがとうございました。